本日は、こんなお悩みをいただきました。
私は若手社員の指導係を担当しています。イマドキの若者はちょっと注意をしても素直に受け入れてくれず反発したり、極端に落ち込んでしまったりと対応に困ってます。
昔は厳しくされたことで「見返してやる」といったモチベーションアップにつながった経験がありますが、イマドキの若者は逆にモチベーションがどんどん下がっていきます。
「若者は叱らず褒めて伸ばしなさい」といった声を聴くことが増えてきましたが、若手社員に気を使いながら指導するのは限界があります。
なにか良いアドバイスはないでしょうか?
若者の離職率が上がっているというニュースはよく聞きますよね。
この背景には、褒めて伸ばすという教育の中で育ってきたことが関係してると言われています。
子供のころから褒められる環境で育ってきた若手社員にとっては、叱られたり注意されたりすることに対する受け入れ態勢が整ってない場合が多いです。
だからといって、若手社員だけを褒めて伸ばすことが正しいわけではありません。
そこで今回は、ほめられ世代の若手社員に絶対にやってはいけない指導3選と題して、若手社員のモチベーションを下げることなく仕事の指導を行う方法を解説します。
それでは、参りましょう。
今回のお悩み解決のポイントは、
- ほめられ世代の若手社員の気持ちを知る
- 若手社員のモチベーションを下げない指導法
の2つです。
具体的に解説していきます。
ほめられ世代の若手社員の気持ちを知る
ほめられ世代の若手社員は怒られたり注意されたりすることに慣れていません。
もちろん、仕事なので上司や先輩社員に指導されていることは理解しているんですが…心がついていかないんですね。
子供のころから親や先生に褒められ続けることで承認欲求が満たされていた為、自分の承認欲求を満たしてくれない言動に対してやる気が出ないんです。
っでイマドキの若手社員の気持ちはなかなか理解できないのは当然。
でも、諦めましょう。
だったら答えはシンプルです。
若手社員の承認欲求を満たしてあげればいいんです。
ほめられ世代のやる気が出る感情スイッチは次の3つ。
- 褒めてほしい
- 認めてほしい
- 気にかけてほしい
「自分1人でまともに仕事もできないのに何言ってんだ!」って感じですが…。
イマドキの若手社員は…。要するに傷つきやすく繊細なんです。
大切にあつかって欲しいんです。
わがままとも言いますがね。
若手社員のモチベーションを下げない指導法
ほめられ世代のやる気が出る感情スイッチは次の3つでしたよね。
- 褒めてほしい
- 認めてほしい
- 気にかけてほしい
つまり、
ほめられ世代の若手社員を指導する際に「絶対にやってはいけない」ことは、
やる気が出る感情スイッチの真逆なことです。
- 若手社員を褒めない
- 若手社員に仕事をまかせない
- 見放す
の3つとなります。
具体的に解説しますね。
若手社員を褒めない
若手社員は、ビジネスマナーや仕事の進め方など全くの素人なのは分かってます。
「褒めるほどのことなんてまだまだ何もやってないけどね…。」
というのが本音でしょうが…。
若手社員を褒めない指導はNGです。
褒めることで若手社員の承認欲求を満たす方が、結果として1人前になスピードがアップします。
人は「期待されたり褒められる」とモチベーションが上がり、良い結果が出ることがあります。
褒める → やる気が出る → 良い結果が出る → さらにやる気が出る → さらに良い結果が出る
といった好循環となります。
この心理作用を「ピグマリオン効果」と言います。
部下に期待したり褒めて育成する方法は、さまざまな企業で活用されています。
ピグマリオン効果は、
- 若手社員のやる気アップ
- 若手社員のモチベーションアップ
- 若手社員の自信につながる
といった効果が考えられます。
ピグマリオン効果については「【ピグマリオン効果】結果を出す部下の育成方法」でも詳しく解説しています。
若手社員に仕事をまかせない
「若手社員なんだからどうせ自分で考えて行動できないでしょ?」
なんて考えはスパッと捨ててください。
ほめられ世代の若手社員はとにかく認められたいんです。
なぜなら承認欲求が強いから。
そこでオススメなのが、日々の仕事のスケジュールなどを若手社員たちに決めさせる方法です。
決まった内容をやらせるのではなく、内容を自ら決めてやってもらうんです。
こんな指導方法もあります。
箱根駅伝3連覇の青学陸上部の監督の指導法をご存知でしょうか?
選手に自主練習を積ませる時に監督は、練習メニューは選手に任せて口出しはしないそうです。
その代わり、全選手に目標管理シートの作成を義務付け、長期的な目標と短期目標を選手自らが書き込み、
その目標を仲間どうしで共有し、自ら設定した目標をチーム全員で共有することで逃げ道をなくし、目標達成へうまく仕向けているそうです。
自ら決めたことについては責任感が出てきます。
若手社員のことを信用して任せてみましょう。
部下を信じることも上司の役目ですよ。
見放す
グイグイ来てほしくないけど…気にかけてほしいんです。
なんか矛盾してますよね?
あなたは若手社員への指導のため、少し厳しく歩み寄っているとします。
「何でそんな考えになるの?」
「自分の意見はもっとないの?」
「こんな時は自分ならどう対処するの?」
正直言うとまだまだ優しい口調で相手に意見を求めてる程度なんですが…。
イマドキの若手社員にとっては、
「自分は見放されてしまった…。」
「そんなの分かるわけないでしょ…。」
ってすぐにネガティブに感じてしまうんです。
ではどうすれば見放されたと思われないのかと言うと。
「何でそんな考えになるの?」ではなく「こういう風に考えてみることはできる?」
「自分の意見はもっとないの?」ではなく「あなたならどう思う?」
「こんな時は自分ならどう対処するの?」ではなく「こんな時はこのように対処したらどう?」
といった感じで一方的に問い詰めるのではなく、相手の考えを導き出すことを心がける必要があるんです。
- 大丈夫?
- やってみる?
- 分からないことはない?
まるで小学生にでも話しかけてる感じですが、イマドキの若手社員は傷つきやすく繊細なんです。
ただし、ずっとこのままの対応で良いワケありません。
あくまでも、自分で考えることができるまで導いてあげるだけです。
とにかく、
ほめられ世代には徹底したサポートが必要なんです。
未来の有能社員への先行投資と思えば気持ちも穏やかになれますよ。